LC/MS/MSで得られた未知成分のマススペクトルの解析にお困りではありませんか?
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左の図は、アミノ酸の一種であるアルギニンのプロトン付加分子のプロダクトイオンスペクトルです。m/z 157イオンは、プロトン付加分子から水分子の脱離によって生成しますが、このプロセスには衝突活性化におけるプロトン移動を考える必要があります。
左の図は、フラグメンテーションにおけるポテンシャルエネルギー曲線です。LC/MS/MSで用いられる低エネルギーCIDにおけるプリカーサーイオンの内部エネルギー上昇のイメージを矢印で書いています。低エネルギーCIDではHeなどの不活性ガスとの多段階の衝突によって、プリカーサーイオンの内部エネルギーは徐々に上昇し、幾つかのフラグメンテーションが起こる可能性があるとき最も低い活性化エネルギーのパスを超えたとき、そのフラグメンテーションが優先的に起こります。
偶数電子イオンのフラグメンテーションは、正イオンの場合正電荷に向かって近傍の結合の電子が動く事によって起こります。つまり、m/z 157イオンを生成する脱水は、水酸基にプロトンが付加している状態から起こり易いと言えます。しかし、アルギニンの中でプロトンが付加し易いのは2つの1級アミノ基ですから、イオン化の際に水酸基にプロトンが付加する事は考え難いです。
そこで、右の図に示すように、アミノ基に付加したプロトンが、衝突活性化によって水酸基に移動し、脱水反応が起こると考えられます。
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